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この記事を書いた人:K. Asai
フィギュアスケート解説者 / スポーツライター
フィギュアスケート専門誌での連載10年。現場での取材経験を活かし、スコアだけでは見えない「選手の物語」を伝えることをライフワークとしています。「テレビでふと目にした江川マリア選手の優雅な演技。その裏には、どのような指導者との出会いがあったのでしょうか?一人のファンとして、彼女の魅力を深掘りします。」
「全日本フィギュアで見た、あの品のある美しい選手は誰?」
「コーチと話している時の笑顔が素敵だったけれど、誰に師事しているの?」
テレビの前で江川マリア選手の演技に目を奪われ、検索してこの記事にたどり着いたあなたへ。その直感は間違いではありません。彼女は今、日本のフィギュアスケート界で最も「観る人の心を揺さぶる表現力」を持った選手の一人です。
江川選手の魅力を語る上で欠かせないのが、名伯楽・中庭健介コーチの存在と、彼女が乗り越えてきた「リンク閉鎖」という逆境の物語です。
この記事では、単なるプロフィール紹介にとどまらず、コーチとの絆や、彼女の演技がなぜこれほどまでに美しいのか、その理由を徹底的に解説します。
読み終える頃には、江川マリア選手の演技を見る解像度が上がり、応援する熱量が何倍にもなっているはずです。
【結論】江川マリアを支えるコーチは「中庭健介」氏
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まず、最も多くの人が気になっている「コーチ」について解説します。
現在、江川マリア選手をメインで指導しているのは、中庭健介(なかにわ けんすけ)コーチです。
中庭健介コーチとはどんな人物?
中庭コーチ自身も、かつて全日本選手権で表彰台に上がり、四大陸選手権に出場するなど、日本を代表するトップスケーターとして活躍しました。現役時代から「ジャンプの美しさ」と「端正なスケーティング」に定評があった選手です。
- 指導拠点: MFアカデミー(三井不動産アイスパーク船橋)
- 指導の特徴: 選手の個性を尊重しつつ、スケーティングの基礎やジャンプの技術を論理的に指導することに長けています。
江川選手の演技に見られる「品格」や「流れるようなスケーティング」は、中庭コーチの美学が受け継がれている証拠と言えるでしょう。
覚悟の「福岡移籍」で結ばれた師弟の絆
二人の関係を語る上で外せないのが、江川選手の高校時代の決断です。
地元・大阪の練習リンクが閉鎖されるという絶望的な状況の中、彼女はスケートを続けるために、当時中庭コーチが拠点を置いていた福岡県への単身移住を決意しました。
「環境を変えてでも、この先生に習いたい」
その強い覚悟に応えるように、中庭コーチも彼女の才能を開花させました。現在は拠点を千葉県(MFアカデミー)に移し、明治大学に進学した江川選手とともに、さらなる高みを目指しています。
江川マリア選手 プロフィール早見表
ここで一度、江川選手の基本的なプロフィールを整理しておきましょう。

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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 江川 マリア(えがわ まりあ) |
| 生年月日 | 2004年生まれ |
| 出身地 | 福岡県(出生はフィリピン、育ちは大阪) |
| 所属 | 明治大学 |
| メインコーチ | 中庭 健介 |
| 憧れの選手 | 浅田 真央 |
| 強み | 圧倒的な表現力、高さのある2A |
フィギュアスケートはリンク代や衣装代など、家計への負担も大きい競技として知られています。小芝風花さんのフィギュアスケート経験と「母子家庭で夢を支えた家族の物語」を解説した記事を読むと、トップを目指す環境づくりにどれだけの努力と愛情が必要か、より具体的にイメージできるはずです。
心を奪われる「表現力」の源泉。彼女のスケート人生の物語
江川マリア選手の演技が観客の涙を誘うのは、そこに「物語」があるからです。彼女のスケート人生における2つの重要なエピソードをご紹介します。
1. 原点は「浅田真央さん」への憧れ
彼女がスケートを始めたきっかけは、2010年バンクーバーオリンピックでの浅田真央さんの演技でした。
銀メダルに輝いた浅田さんの「鐘」の演技を見て、「私もあんなふうに滑りたい」と強く憧れた少女は、今やその浅田さんのように、観る人の記憶に残るスケーターへと成長しました。
江川選手の演技に漂う、指先まで神経の行き届いた所作や、音楽と一体化するような雰囲気は、幼い頃からの憧れを追い求め続けた結果なのです。
2. リンク閉鎖の逆境を乗り越えて
前述の通り、彼女は高校時代に練習拠点を失うというアスリートとして最大の危機を経験しています。
慣れ親しんだ大阪を離れ、福岡、そして千葉へ。環境の変化は精神的にも肉体的にも大きな負担となりますが、彼女はその全てを「表現の深み」へと昇華させました。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 苦労を知る選手の演技には「説得力」が宿ります。
順風満帆なキャリアでは得られない、痛みや葛藤を知る人間だけが出せる「強さ」と「優しさ」。江川選手の演技が技術点以上に心に響くのは、彼女が乗り越えてきた道のりが、氷の上で輝きとなって現れているからに他なりません。
次の観戦が10倍楽しくなる!演技の注目ポイント
「どこを見ればいいの?」という初心者の方のために、江川選手の演技で特に注目すべき2つのポイントを解説します。
① バレエ仕込みの「上半身の使い方」
彼女の最大の特徴は、なんといっても「美しさ」です。
幼少期に習っていたバレエの経験が活かされており、背中のライン、首の角度、腕のしなやかさが群を抜いています。ジャンプをしていない滑走部分(スケーティング)を見ているだけでもため息が出るような美しさは、彼女だけの武器です。
② 高さのある「ダブルアクセル」
優雅な表現とは裏腹に、ジャンプはダイナミックです。
特に、前向きに踏み切る「ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)」は、男子選手顔負けの高さと飛距離があります。音楽の盛り上がりに合わせて、空中にふわりと舞い上がるようなダブルアクセルは必見です。

江川マリア選手に関するよくある質問(FAQ)
最後に、江川選手についてファンが気になりがちな疑問にお答えします。
Q1. 大学との両立はどうしているの?
A. 明治大学スケート部に所属し、文武両道を実践しています。
明治大学はフィギュアスケートの名門であり、学業と競技を高いレベルで両立できる環境が整っています。大学の仲間と切磋琢磨しながら練習に励んでいます。
Q2. 彼女の演技の特徴を一言で言うと?
A. 「音を奏でるようなスケーティング」です。
音楽をBGMにするのではなく、自らの体で音楽そのものを表現しているかのような一体感が魅力です。
Q3. 今後の目標は?
A. 全日本選手権での上位入賞、そして国際大会への出場です。
国内の激しい競争を勝ち抜き、世界の舞台でその美しい演技を披露することを目標に、日々進化を続けています。
まとめ:物語を知れば、応援はもっと楽しくなる
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今回は、江川マリア選手のコーチや経歴、その魅力について解説しました。
- コーチは元トップスケーターの中庭健介氏。師弟の絆は固い。
- 浅田真央への憧れと、リンク閉鎖を乗り越えた強さが原動力。
- バレエ仕込みの表現力と、ダイナミックなジャンプが魅力。
技術点だけでは測れない「美しさ」と「物語」を持ったスケーター、それが江川マリア選手です。
彼女が氷の上に立つとき、そこには単なる競技を超えた、ひとつの芸術作品が生まれます。
また、フィギュアスケーターを長く応援していくうえでは、ネット上の噂やゴシップとの距離感も大切です。羽生結弦選手の再婚報道にまつわる噂と、情報の真偽を見極めるポイントを解説した記事を読んでおくと、「選手の心を守りながら応援する」という視点も身につき、江川選手を含む多くのスケーターへの向き合い方がより優しいものになるはずです。
ぜひ次の大会では、彼女の歩んできた道のりを思い出しながら、その演技を見守ってみてください。きっと、これまで以上に胸が熱くなるはずです。
[参考文献・出典]
- フジテレビ「スケート∞リンク」:江川マリア選手紹介
- 明大スポーツ新聞部:ルーキー特集 江川マリア編
- 共同通信社「Deep Edge Plus」:江川マリア プロフィール



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